Archive for the ‘本’ Category

Book / 「2020年国内大手広告代理店崩壊」を読んだお。

水曜日, 11月 17th, 2010


 
 
2020年国内大手広告代理店崩壊(こちらから購入可能)を読みました。

タイトルはけっして大げさなものではなく、様々な分析に基づいた根拠のある内容だったと思います。

内容は、国内代理店の収益状況の冷静な分析からはじまり、収益構造のボトルネックの分析、フィー制度の詳細、インターネット広告におけるアドネットワークの仕組みへと続き、今後、広告代理店が生き残るための提言でしめくくられます。
 
 
本書にもあるとおり、今後インターネット広告のROIが明確になればなるほど、テレビなど既存媒体の費用対効果も明らかとなり、メディアレップを生業としてきた広告代理店は収益を維持できなくなっていくでしょう。これは明らかな流れのようです。

大手の広告代理店は、オンライン広告のこのような新しいフレームに対応できる人材を揃えていくか、あるいはアウトソーシングするかという判断を迫られることになるはず。

そして、このような流れに対応できない(メディア取引を主要なビジネスとする)小さな代理店は、インターネットの主要デバイスがモバイルに以降する頃を目処に、かなりの確率で整理されていくのではないかと思います。
 
 
本書によると、世界最大の広告代理店WPPは、その名称をすでにマーケティングサービスカンパニーと変え、リサーチ、PR、ブランドコンサルなどのサービスが売上の50%に達しているそうです。

またUSコカ・コーラ社は、2010年4月、広告代理店への報酬を成果型(レベニューに貢献しない場合は実費のみの支払い!)に変えることを表明し、2011年以降世界中の市場でこの方式を採用していくことも決定しているそうです。
 
 
世界はどんどん変わっていますね。
「ふつう」の賞味期限がこんなに短い時代は、人類の歴史上なかったんじゃないかと思うくらい。
(でも、たぶんあるんだろうな。)
 
 
こんな世の中で、自分にしかできないことを必死で磨いていきたいと思います。がんばろう。。
 
 
これは個人的にですが、DSP(Demand Side Platform)やデータエクスチェンジといったアドネットワークのプレイヤーに関するくわしい知識が得られただけで、十分500円の元は取れたと思います!
 
 
最後に悪い部分も一つ。。
電子書籍と言いつつ、パワポをそのままPDFに変換したようなフォーマットなので、すげー読みにくかった(笑)
内容とは関係ない部分だけれど、もうちょっと装幀には気を遣ってほしかったですお。
  
 
2020年国内大手広告代理店崩壊
 
 
 

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Book / 小川糸 / 食堂かたつむり [書評]

金曜日, 1月 29th, 2010


 
 
自然との共生、田舎暮らし、エコライフ、ロハス(以下略)。

こういった言葉たちが私たちに思い起こさせるのは、やさしくて争いのない世界のイメージです。雄大な自然に心身を溶け込ませ、春の日差しのように降り注ぐその恩恵を身体いっぱいに受け、ゆるやかな時間を生きる。そんな期待。

この小説は、田舎で暮らすことのディテールを淡々と描き切ることで、そんな私たちの淡い期待を見事に裏切ってくれます。

人との別れ、死、生き物を殺して食べること。

都会を離れ、雪深い山奥の町で暮らし始めた主人公が遭遇するのは、豊な自然がもたらす癒しというよりは、生きることの苦しみや悲しみでした。しかし主人公は、「料理」という方法で世界と向き合い、ひとりの人間としての正しい生き方を模索しようとします。

あらゆるものごとには入り口と出口があり、表と裏があります。

「食堂かたつむり」の素晴らしいところは、そのいずれをも、どちらに偏ることもなくあくまで冷静に表現しているところだと思います。

もちろん、料理にまつわるシーンもたっぷりと描かれています。どの料理も、今すぐ食べたくなるくらいに魅力的なものばかり!野菜たっぷりの「ジュテーム・スープ」なんて、本当に香りがただよってくるようでした。

誰にでも自分の「食堂かたつむり」がある。人生は、自分にフィットした「かたつむりの殻」を探すプロセスである。そんなメッセージが伝わってくる小説でした。

映画を見る前に、読んでみることをおすすめします!
 
 

 
 

 
 

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Book / 伊坂幸太郎 / フィッシュストーリー

日曜日, 1月 24th, 2010


 
 
 
あいわらず全編的に愛があふれていて素敵でした。
 
※以下、若干のネタバレを含みます。
 
 
動物園のエンジン
 不可解な行動の意味
 もうひとつの騙し

サクリファイス 
 日本の民族伝承的な、ねっとしりたSF感
 不可解な行動の意味
 主人公が謎解きしていく
 主題は友情

フィッシュストーリー
 時系列の異なるストーリーが絡む群像劇
 小説家の言葉→音楽の純粋を守る気持ち→正義のヒーロー→世界を救う

ポテチ
 主役の彼女=何も知らない読者視点
 次第に明らかになる登場人物たちの関係
  アヒルと鴨のコインロッカーと似た配役設定 
 テーマは親子&小さな社会問題
 野球ネタ
 
 
ポテチの最後で、泣いちゃいました。
 
 

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「買う気」の法則 山本直人

日曜日, 11月 15th, 2009

「買う気」の法則
 
 
マーケティング/人材育成プランナーの山本直人氏の「「買う気」の法則」を読みました。

事業主(クライアント)、広告会社双方の視点から広く物事を捉えていらっしゃる方なので、いろいろとためになる話が多かったです。

箇条書きでポイントをピックアップ:

・広告費の減少には、流通の仕組みが激変したことの影響も大きい
・マスメディアは、その媒体としての価値を高めるための努力をするべき(具体的には、テレビのセグメント化、新聞発行部数の精緻化、情報の多面化、等)
・AIDMA, AISASは間違っていないが、あくまで広告会社のモデル
・消費者の「問題意識」をいかに先回りして捉えるか、という視点でプランニングする必要がある
・ABCDモデル
・多数派形成の力(→売れている空気をつくる、とほぼ同義。戦略PRに近いです)
・意欲解放による新しい「買う気」の発掘。商品の本質的な魅力を伝え、未来を提示する力の重要性(→クリエイティブ+プランナーの領域。新しい価値の提示が必須とは思います)
・消費者と関係を構築する力(ホスピタリティ)
・広告会社が人材を囲い込むのではなく、クリエイターやマーケターが、事業主のように独立採算で活躍できる契約形態を採用するべき。ただ、現状の業界の風土では、このようなやり方は全く受け入れられない

ABCDモデルは、あらゆるパターンに適用するのは難しいかもしれないけれど、コミュニケーションプランニングのひとつの手法として勉強になりました。

広告主も、クリエイターも、広告会社の営業も、みんな読んだほうがいい良書だと思います。
 
 

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