情報が拡散するとき、人の心はどんな状態にあるのか?
なぜ人はRTするのか?というブログで、TwitterのRTについて興味深い記事がエントリーされていました。
人がRTする理由は、以下の6つに分類できるという内容です。
読者が読んでいる情報を他の人と共有するとき、いくつかのきっかけがありますが、大きく以下のようなものにわけることができます。
(1) おもしろいから
(2) 自分自身に関係するから
(3) マイナスの気持ちを訴えたいから
(4) 備忘録、ブックマークの代わりとして
(5) 社会貢献として
(6) 仲間との連帯感を強める
なるほど!って感じでしたが、ここでは勝手ながら私の視点で、これらの分類をもう少し整理してみたいと思います。
まず、
「(1) おもしろいから」
「(2) 自分自身に関係するから」
「(3) マイナスの気持ちを訴えたいから」
「(6) 仲間との連帯感を強める」
という理由は、すべて
自分の心の動き(=感情)を共有したい。
※心の動き = 感動、怒り、おもしろい、悲しみ、発見 等
という理由にまとめることができるのではないかと思います。
「おもしろいから」はまぁそのままですが、「自分自身に関係するから」は、自分が感じていることと同じことを誰かが感じていた、という驚き・発見であると言えます。また「マイナスの気持ちを訴えたいから」は怒り・憤りの感情の共有であると言えます。
続いて、
「(4) 備忘録、ブックマークの代わりとして」
については、本当に備忘録ならローカルのメモに保存する方が便利ですから、この場合は、感情を共有したいという欲求が、「面白い情報を発見したから拡散したいけど、やりすぎて自己顕示欲の強いやつだと思われても嫌だな」という別の欲求によって、その言い方を変えているだけです。つまりこれも「感情を共有したい」カテゴリーに区分できます。
「(5) 社会貢献として」
コミュニティ(世界、日本、自分が帰属する集団)の利益に貢献したいという欲求は、他とは少し違うかもしれません。マズローの欲求段階説でも、自己実現欲求の中でも上位にランキングされている高次な欲求です。黒柳徹子さんの85%はこの欲求でできていると言われています。この場合、情報を拡散することで自己顕示欲の強さをアピールしていると思われたり、偽善者と思われたりするリスクとのトレードオフで、RTするかどうかは決まりそうです。
ということで、人が情報を他人に伝えてしまう理由を、ここでは、
(1)自分の心の動き(=感情)を共有したい
(2)所属するコミュニティの利益に貢献したい
という大きく2つに分けられるのではないかと、考えることにします。
※(2)を広義に捉えれば(1)に含まれる、という考えた方もあると思いますが、とりあえず・・・。
人は、(1)あるいは(2)のような感情を起こさせる情報(コンテンツ)を、うっかり拡散(RT)してしまうのですね。
情報拡散の(すげーカンタンな)モデル
で、このスキームを、簡易的に図式化したものがこちらです。

コミュニケーションノードとは、Twitterでいえば、一人ひとりのユーザアカウントや松岡修造Botに相当します。概念としてのとノードと、背後にいる本物の人間は、ここでは同一のものとして考えています。
あるノードから出力された1つの情報nの拡散力をYとすると、
関数Yに影響を与える変数としては
y1: コンテンツが持つ被拡散力
※このパラメータは、上記の「人が情報を他人に伝えてしまう」強度に依存して変動
y2: コミュニケーションノードNのコミュニティ内における信頼性
y3: コミュニケーションノードNの感情モード(よろこび/怒り)、あるいはその強度
y4: 情報nがTL上に出現してからの経過時間
y5: コミュニケーションノードNとN+1の社会的親密さ
などが挙げられると思います。
(つーか、いくらでも出てきそうです。。)
感情のモードが、情報の拡散力に影響を与える。
y3の「感情モード」は、「ナガオカさんと中村さんの議論に関する考察」を読んでいて気付いたポイントです。
中村さんが普段は見せない?感情のこもった発言をしたことで一連のツイートに注目が集まったのですが、情報発信者の意志やその時の感情の強さも、情報の拡散力に強い影響を与えるのだと思いました。
またこの件では、ナガオカさんと中村さんがTL上でやりとりする中で話題化したという経緯があり、「グッドデザイン賞の意味」という「テーマ」を議論するバーチャルな場がTwitter上に登場したことで、より情報の拡散力が上がったように思います。
Togetterなどのツイートをまとめるサービスは、そのような「場」を「テーマ」別に可視化するシステムと言えるかもしれません。
ということで、とくに明確な結論もなければ、図も作っただけで放置プレイなエントリーで非常に恐縮ですが、このようなスキームで考えると、ソーシャルメディアを動かしている力のようなものが、なんとなく理解できて面白いですね。
※上の図は、あくまでTwitter上でのRTの仕組みに注目したもので、RTされるツイートほどマーケティング価値が高いという前提に立つものではありません。RTはされないけど素敵なツイートもたくさんあります。